ラアルプの少女廃人

某日吉大学2年生ミュージカルオタクが観に行った作品の感想を書きなぐる。バイトは週4~5日、観劇は月2回くらい。週4で授業。劇団四季、東宝系が多いです。語彙力と財力が低めです。ピューロ年パ持ち。アルプスの少女ハイジの塾でバイトしてます。

【ネタバレ注意】4/20M カモメに飛ぶことを教えた猫

初演!!初日!!観てきました~~~!!!わーい!!

キャスト▼
ゾル笠松哲朗
フォルトゥナータ 横田栞乃
大佐 志村要
秘書 三宅克典
博士 奥田直樹
ブブリーナ 辻茜
マチアス 町田兼一
ケンガー 光川愛

新作ファミリーミュージカルです!!最初にタイトルを聞いたときの感想は「人猫みがすごい」「四季、猫好きすぎでは?」です。そういえばお久しぶりに上川さんタガーで出演されてますね!

会場は相模女子大学グリーンホール。ここは吹奏楽部時代に演奏会で来たことがあります
今回はA席でしたが、先行予約をガチったおかげか、2階最前列のセンターブロックでとっても観やすかったです~!

パンフは700円、原作本(1000円)も売ってました


それでは本編レッツゴー!!ネタバレ注意!



まず……



ボロッボロに泣きました……だめ押しで泣かせてきます……


主人公・黒ネコのゾルバは海辺の街・ハンブルクの人気者。ネズミ取りの腕は街いちばんで皆から信頼されています。少しけんかっ早いところはあるけれど気のいいやつです🐱
大佐や秘書、お姉さん的存在のブブリーナをはじめたくさんのネコの仲間たちと楽しく暮らしています

ここで重要になるのが、この街の掟である「しっぽの誓い」。この誓いを立てた者には、それを守るために街の人々みんなが協力してくれます。逆にもし誓いを守れなかったら、しっぽを切られてしまいます。
しっぽを切られたネコは街から追放され、他のどの街にも受け入れてもらえないのです…


冒頭は明るい曲調から!!たまごを産むために海を渡るカモメたち⌒(ё)⌒
そこに「黒い死の波」が襲います。この黒い波の正体は船から流出した油。文明~~~ッ
親カモメのケンガーは波に飲まれ、息も絶え絶えになってしまいます…

それを発見したのがゾルバ。そういえば猫ってカモメ食べちゃいますよね
必死でケンガーの汚れを落とそうとするゾル

ケンガーは①たまごを食べないこと②たまごからヒナをかえすこと③ヒナに飛ぶことを教えること を頼み、たまごの命を託し息絶えます。光川ケンガー、気高く美しい…

ゾルバはこの3つの約束をしっぽの誓いとしてたまごを守ろうと決めます。なんていいやつなの??????
彼は幼い頃に親をなくしているのでその姿を自分の母親に重ねたのです

ゾルバ、ブブリーナ、大佐、秘書の4匹は展示館の博士の元へ力を貸してもらいに訪ねます

ここで登場するのが今作のヴィランチンパンジーのマチアスです!!🐵ところで町田マチアスって語感いいですね!
昔は飛行機で空を飛んでいましたが、今は落ちぶれて展示館のチケット番。4匹にチケット代を請求して中に入らせません。常に酒びんを手に持っている…
このマチアス、一体どんな過去を持ったキャラクターなのか深くは語られませんがとっても気になります。どうしてこんなにやさぐれてしまったの??スピンオフが待たれます。(出ません)

なんとか展示館に入った4匹。ここで博士登場!!大切な百科事典をネズミにかじられたショックでうつ伏せに倒れる動きがツボ。コミカル枠です。ここの博士ターンは笑いとりまくってました、おすすめポイント☆



たまごがかえるまで粘り強くあたためるゾルバ、あぐらでたまごを抱きしめる姿がかわいい(笑)
何日も何日もあたためてくたびれたゾルバ、最後には寝転がってテレビを観るおやじのような体勢に。かわいい、なんて健気でいいやつなの。もうここらへんからゾルバと結婚したくなってきます(は?)

途中、マチアスとネズミたちに邪魔されますがなんとか無事、ヒナが誕生!!

ところでこのマチアスとネズミたちの構図、スカーとハイエナたちを彷彿とさせます。利害関係の一致だけで実際のつながりが希薄なところとか…



フォルトゥナータ、誕生!!!!!!!🐣
舞台中央のセットからころん!と登場!ぬいぐるみのようなフォルム!!あまりのかわいらしさに客席から歓声と笑いのどよめき。横田かんなさん、なんてかわいらしい…汚れのない……赤ちゃんカモメ……ばぶばぶ……👶
このシーン、尊いです。この誕生シーンのためだけにでもチケ代を払う価値があります。ハイ元取った~~~黒字~~~

生まれたてのヒナ、ゾルバを見るなり「ママ!」と呼びます。焦るゾルバ(笑)(これを刷り込みというらしい by博士)
「俺はママじゃない!ゾルバだ!」「俺は男だ!」「せめてパパにしてくれ!!」
ママと呼ばれる笠松ゾルバ……端的に言って萌えですw

話はそれますが、私の母が前に観ていた韓ドラで、子供に全然興味ない強めの男の人がひょんなことから赤ちゃんを育てることになって心開いていくタイプのストーリーがあった気がします。なんとなくそういう話で感じる萌えと似たような萌えです(伝わらない)

ここで笠松ゾルバの沼に腰くらいまで浸かります。推し不回避

フォルトゥナータは「幸せ者」という意味。町中みんなが彼女の誕生を喜びます!!なんていい街!!!♪フォルトゥナータ 幸せになれ という歌詞がとっても素敵で…一幕にして既に泣きそう

…とここで幕間。休憩中どのお客さんも口を揃えて「フォルトゥナータがかわいい」と言っていました🐣

相模女子大学グリーンホールのトイレは和式が多いです




第2幕は博士のソロ曲で始まります!そういえばこの作品、圧倒的にゾルバのソロ曲が多い!!かなり負担多めの主人公です

もはやナチュラルにゾルバをママと呼ぶフォルトゥナータ🐤

甲斐甲斐しくお世話するゾルバママ

ブブリーナさんがいい姉さんっぷりを発揮しています。ブブリーナ姉さんはゾルバのよき理解者。お嬢様猫で、ふさふさの白いしっぽがかわいい🎀

フォルトゥナータはすくすく育ちヒナルックからカモメ本来の(?)姿に!街のみんなはフォルトゥナータがだいすき!この街に住みてえ!

ケンガーとフォルトゥナータ以外にもこの作品にはアンサンブルのカモメが登場しますが、なんと一匹ずつ衣装のデザインが違う!!!おっしゃれ~!こういうところを推していきたいです私は!!

自分のことを猫だと思い込んでいるフォルトゥナータ……
ゾルバは3つ目の約束をはたすためとカモメだと言ってきかせますが「ママみたいな猫になりたい!☺️」と言われてまんざらでもなさそう。かわいい。なんて微笑ましい。


ある日マチアスがフォルトゥナータに「ゾルバはフォルトゥナータを太らせて食べるために育てている」と嘘をつきます…
悲しむフォルトゥナータにゾルバが言ったセリフ「お前だからこそ愛しているんだ」
ママ~~~😭


フォルトゥナータ、猫のつもりなので全く飛ぼうとしません
と、ここで重大な事実が発覚!カモメは冬になる前に南へ飛んでいかないと寒さで死んでしまう!!渡り鳥!!!なんでしたっけ、冬鳥でしたっけ
この事実を知って悲しむのは自分だけでいいと歌うゾルバ、イケメンです、なんていいやつなの?!?!?!????💢(もはやキレ気味)

町中みんな協力してフォルトゥナータの飛ぶ練習をします!!このシーンもかなりコミカルです!試行錯誤していろんな装置をつけられるフォルトゥナータかわいい

「フォルトゥナータ!こっちまで飛んできて!!😊」と腕を広げるブブリーナ姉さん。なんだか赤ちゃんのハイハイの練習みたいで微笑ましいです

なかなか飛べず、マチアスに力を借りることに。彼は昔飛行機で飛んでいたから飛ぶ方法を知っているはず!
ところが彼は「教えるかわりにしっぽをよこせ」と要求します。

フォルトゥナータのためなら!とためらわずしっぽを差し出すゾルバ。彼は本当にいいやつです(n回目)

フォルトゥナータがそれを止めますが、ゾルバは彼女にたくさんの幸せをもらったと言ってなだめます。ここで歌われる曲が泣きポイント①です(ちなみに泣きポイントは3回ありました)

秘書、ブブリーナネキ、大佐もしっぽを差し出します!これに心を動かされたのかマチアスは「もうやめだ!」と飛ぶ方法を教えてくれます。
鳥の親はヒナを飛ばせるために高いところからわざと突き落とすのだそう。
いや飛行機関係ないんかーい!てっきり航空力学的アドバイスくれるのかとおもってた(笑)

裏切られたネズミたちはマチアスを攻撃しますが、猫たちで彼を守ります。こういうところがファミミュの心温まるところですよね、悪役を悪役として終わらせない。スワガードを彷彿とさせます

ゾルバとフォルトゥナータは街のシンボル、高い塔に登ります。ラストシーンです(泣きポイント②)

怖がるフォルトゥナータに「俺を信じて」とか「自分を信じて」みたいなセリフがあるのですが、「母さん見ていて」といいアラジンみが深いです。厂原さんもアラジンですし。

飛び降りるフォルトゥナータ
「飛べーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

声の限り叫ぶゾルバ…
手放す別れは寂しいけれど、カモメとしての幸せを願うゾルバの“母の”愛

泣けます(念押し)


おしまい!!!



あれ?泣きポイント3つ目は?

カテコです。
横田フォルトゥナータに向かって両腕を広げる光川ケンガー、親子のハグ(号泣)
こんなに立派に育ちました……って、初日だったこともあり、こみあげるものがあります……それを見守るゾルバの表情よ

終演後そこかしこから「あのカテコはずるい」という話し声が(笑)




~まとめ~

観た人は絶対に笠松さんを推す。(断言)
いやみの全くない、ナチュラルに誰かのことを想えるゾルバ。優しさとぶれない強さ、それとやんちゃさの絶妙なバランス!!フォルトゥナータへだけでなく、ケンガーとか博士とか他の全ての誰かのための行動が全力で、ちょっとした仕草に思いやりが見えます
思えば劇中でゾルバが心折れるシーンって一度もない!

それから、ゾルバがいわゆる新人俳優の登竜門としての“ファミミュの主人公”ではなく、他作品でも主役級のベテランが演じているっていうのがいいなと思いました。育てられるフォルトゥナータがピュアピュアでいわゆる“ファミミュのヒロイン”であるだけに、この2人の関係性がリアルで、全体的な空気感があたたかかったように感じます。

あと忘れてはいけないのが光川ケンガー。彼女の美しさと思いの強さ、「この命をつながなければ」と自然と思わせるものがあります




以上!!!
初演ということもありかなり長く書いてしまいましたが読んでくださりありがとうございました!

次回の観劇予定は『ユタと不思議な仲間たち』です!